みなさん、どうもこんにちは!
ずっきーです。
前回に引き続き、超絶エンタメ小説の紹介。
めちゃくちゃ面白い、読むだけで長編映画を見たかのような充実感を味わうことのできる、鈴木光司作「リング」シリーズの3作目「ループ」を紹介させてください。
前回の記事はこちらから、ぜひ読んでみて。
たまの息抜き・リラックスのお時間に、ぜひおすすめです。
それでは、いってみよー。
「リング」シリーズの3作目である「ループ」とは
「ループ」は、1998年1月に角川書店から単行本として刊行されました。
シリーズの位置づけとしては、「リング(1991年)」、「らせん(1995年)」に続く3作目でこれまでのストーリーの完結作として執筆されました。
著者としては、「リング」を執筆していた頃、シリーズ全体の構想があって書き始めたわけではないという。
映画の世界では、よく3部作シリーズ完結はよく見られます。
僕の大好きな「バックトゥザフューチャー」や「ターミネーター(実際は3作以上になっているが・・・)」、「マトリックス」などが有名です。
後付けにしては、よくまとまっているというのが、リングシリーズのあきさせない魅力でもあり、無理矢理につなげたような感じはまったくありません。
まるで最初から念入りにストーリーの設計図を構築してから3作に分けたかのうように、ごくごく自然でいて緻密に3作が絡み合って1つの壮大なストーリーを紡いでいます。
実は、鈴木光司の他の作品を読んでいてもそうなのですが、時間を隔てたストーリーを展開しながらも、全体としては最後につながるという、伏線回収型と表現できる展開は他の小説でも見られます。
このような、時間的なストーリー展開が優れているので、映画を見ているような感覚にさせてくれるのだと思います。
話しが、シリーズ全体に移ってしまいました。
「ループ」に戻しましょう。
ということから、「ループ」は「リング」「らせん」では、まだ未解決だった事象がきれいに解決されます。
そして、世界の仕組みが「あ、こういことだったのか・・・」と、わかります。
この辺の回収が見事としか言いようがありません。
後付けだなんて、信じられません。
何度も言いますが、本当に、見事にまとまっているのです。
それでは、3作目「ループ」の内容を少し紹介しますのでネタバレ注意です。
「ループ」の内容
主人公は二見馨(ふたみかおる)という10歳の男の子です。
研究者の父(ひでゆき)と母(まちこ)と都内の高層マンションに3人暮らしをしている家族から物語はスタートします。
情報工学系の研究者である父の影響を受け、馨の夢は、自然界のあらゆる現象を説明しうる統合的な理論の発見だった。
いつも馨は、父の帰りを夜遅くまで待っていた。
人工生命開発プロジェクトの研究員を務めたあと、大学教授となっていた父ひでゆきは帰ると、時には寝ている馨を起こして酒の肴に親子は自然科学に関して様々な議論を語り合うのが、二見家の日常だった。
その日は、思いがけない発見をしたことで、どうしても父と話したかったこともあり、馨は、高層マンションのベランダに出て、父の乗るバイクの音を眼下に探していた。
そんな時、ふと背後から誰かに見られているような感覚を覚えることいももう慣れっこであった。
発見というのは、世界の長寿村のある位置と、馨が偶然ネットで入手した世界の重力異常の分布図がぴたりと重なるというもの。
とりわけ、重力異常が大きな値を示していたのが、アメリカ西部の砂漠地帯フォーコーナーズだった。
コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州そしてアリゾナ州にまたがる一帯だった。
どうしても馨はこのことを父ひでゆきに聞いて欲しかったのだ。
この発見は、のちに深く二見家いや馨の人生に大きく影響を与えるような運命的なものだった。
馨はその後、10年の時を経てその場所へ導かれるようにアメリカのフォーコーナーズを目指す旅に出ることになる。
また、このストーリーの中でとても重要なのが、世界が「転移性ヒトガンウィルス性」に侵されていたこと。
このガンウィルスが体に一旦侵入されたら、次々に体中の臓器に転移して人を死に至らしめる。
このウィルスがどこから来たのか世界では分からずにり治療法も見つからず、ただただ蔓延するのを指を咥えているほかなかった。
馨はどうも、父がかつて研究していたプロジェクトである「ループ」と呼ばれる「人工生命開発プロジェクト」との関連性を疑っていた。
父によると、プロジェクトはがん化し、凍結されていた。
馨は運命に導かれるように、この世界に蔓延するガンウィルスの解決の糸口を求めて、深い関連性があると思われるアメリカのフォーコーナーズを目的地としてアメリカへと向かうのだった。
果たして、馨はガンウィルスを止め、世界を救うことはできるのか?
その世界を一人で背負ったような大きな使命を果たす中で、この世の仕組み、ループプロジェクトや自分の出自について、すべてを知ることになる。
馨は自分に課せられたその運命を受け入れることができるのか?
まとめ
と、こんなストーリーになっています。
話しすぎたでしょうか。
ただ、とても壮大なストーリーで、ハリウッド映画にでもなりそうなスケールで物語は展開していきます。
そして、理論がとても自然で、実際に現実的に起こりうるような世界感でストーリーが展開するので、それが怖くもあり、しかも超科学的なSF大作となって読むものを魅了します。
冒頭でも書きましたが、「リング」「らせん」そして「ループ」と3部作の全体の流れに無理な展開やこじつけめいたわざとらしさを一切感じさせない、すばらしい展開となっています。
もう、ほんと何と言っていいかわからないほどです。
すばらしいとしか言えない。
もう面白くて面白くて、ただただ夢中に読み進めました。
鈴木光司は、圧倒的な情景の描写力で読み手にその情景を映画のように浮かび上がらせます。
ストーリーの面白さも相まって、それが好きで彼の全作品を読みました。
また、リングシリーズにもスピンオフ版や、その他の作品もあるので、ぜひ紹介したいと思います。
20年以上経っても色褪せないそのすばらしさが少しでも伝わり、この作品をみなさんも手に取ろうと思ってくれたら嬉しいです。
一緒に、鈴木光司ワールドを楽しみましょう!
ではでは、また。
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