みなさん、どうもこんにちは!
ずっきーです。
前回に引き続き、超絶エンタメ小説の紹介。
鈴木光司を愛して止まない私ですが、鈴木光司の代表作「リング」シリーズの4作目「エス」を紹介させてください。
実は、シリーズ第4弾としては、「バースデイ」があるのですが、「バースデイ」はリングシリーズのスピンオフ短編集とでもいうように、登場人物の裏エピソードを描いた作品となっています。
なので、本編作品として書かれたこの「エス」をシリーズ4作品目として、紹介いたします。
ちなみに前回の記事も、まだ読んでいない方はぜひ読んでみて。
より鈴木光司ワールドに浸かれます。
「エス」は、2012年5月に単行本として刊行されました。
壮絶なリングシリーズ超大作の完結作となった「ループ」が刊行された1998年から14年の時を経て、リングシリーズにあらたなストーリーが帰ってきました。
それでは、この「エス」、どんなストーリーなのか見ていきましょう!
それでは行ってみよー!!!
「エス」のあらすじ
まずは、ざっくりとあらすじから。
画像編集のプロである安藤孝則(あんどうたかのり)は、ある動画解析を依頼される。
その動画とは、中年男性の首吊り自殺のシーンを映したものだったのだが、その動画が本物か偽物かというもの。
その映像は、誰かがいたずらして作成したものではまい、本物のみが保有する独特な雰囲気を放っていた。
しかし、解析をするために何度か見ていると、その映像に変化が現れたのだった。
それは、首吊り自殺をはかった男が動画の中から消えてしまったのでした。
同じ、動画を見ているはずなのに、なぜか映像に変化が。
また、恋人の茜(あかね)には、孝則との間に新たな生命を宿し、喜ぶのも束の間、不穏な影が忍び寄る。
孝則は、愛する茜を守れるのか?
解析を依頼された映像から消えた謎の男とは?
2人とはどんな関係があるのか?
まさか、終わったと思っていた「リング」ウィルスの恐怖が再び蘇るのか?
それとも新たなる何かが始まってしまうのか?
果たしてどんなストーリーが展開されるのか、また、はらはらドキドキさせてくれるのか?など、とても楽しみなリングシリーズ続編なだけに、期待は高まります。
さぁ、次はネタバレ注意です。
いよいよ、ストーリーをギリギリまで紹介しちゃいます。
内容を知りたい方だけ読みすすめていただければと思います。
「エス」の詳細ストーリー ※ネタバレあり
安藤孝則は、映像製作会社に勤める青年です。
とても仲のよい恋人「茜」がいますが、最近、妊娠したことがわかり、急いで入籍するために自分の戸籍謄本に目を通し、驚愕する。
自分には、2年間死んでいる期間があったことを発見してしまった。
「自分はどんな存在なのか?」
また、その事件とも言うべき驚愕の事実が明らかになる少し前に、職場の社長から映像解析を依頼される。
首吊り自殺を撮影した映像は果たして本物なのか?それとも作りものの偽物なのか?
不穏な雰囲気が取り巻きはじめた孝則の周りでは、さらなる心配の種ができてしまう。
それは、恋人の茜(あかね)が誰かに尾けらている疑いがあり、過去に一度誘拐殺人未遂に巻き込まれていることもあり、落ち着くことのできない非常に心配な日々を送っていた。
そんな中、画像解析を進めるにつれて、映像に写っていた首吊り自殺の男と孝則自身とのつながりが発覚し、さらには、茜と自殺男の関係も明らかになっていく。
自殺の男は、柏田誠二といい、かつて茜を誘拐して殺人未遂に終わった男だった。
まさに茜を引きずり回していた時に警察に取り押さえられ、茜は九死に一生を得たわけだが、子供だった茜は、トラウマになっていた。
柏田は連続少女誘拐殺人の凶悪犯であり、解析の映像が孝則の勤める映像製作会社の社長に持ち込まれた時を同じくして、絞首刑となって、命を落としていた。
茜を襲ったと言われる柏田は、すでにこの世からは消滅し、心配はもうないと思った矢先、なぜか茜には引き続き忍び寄る魔の手が。
さらに、柏田の自殺が撮影されていたその動画には変化が起こり、その動画から、ある日、柏田の姿だけがなくなり、首を括ったであろう縄だけが映像には残されていた。
まさか、絞首刑になったはずの柏田が復活して茜を尾け狙っているということをその動画は暗示しているのか?
いったい茜を尾けているのは誰なのか?
心配事が尽きない孝則が画像分析や背景を探っていく中で、「新村裕之(にいむらひろゆき)」という謎の人物が浮かび上がってきます。
しかも、必死の茜の追跡で、茜を尾けているのはこの新村裕之だったとわかる。
なぜ、新村は茜を尾けるのか?
画像解析から一連の背景を追っていた孝則は、柏田事件を克明に追っていた記者の木原の協力も得て、どんどん事件の真相に迫っていく。
さらに解析をしていくと、リング事件との深い関係があることがわかる。
リング事件の中心人物、高山竜二という人物や自分の生い立ちが次第に明らかになっていく。
ここで、これまでの読者ならピンとくるとは思うが、孝則と竜二は同類といってもいい過去がある。
安藤孝則は、これまで竜二の解剖などを手がけ活躍した安藤満男なのだから、リング事件が自分の運命に大きく影響していることは言うまでもない。
孝則と茜、柏田や新村、そして父である満男や竜二。
これらの人物やこれまでのリングシリーズのストーリーと絡まりながら、終盤、どのようなクライマックスが待っているのか?
まさか、リングはまだ終わっていなかったのか?
まとめ
今作、激しい展開はないものの、じわじわとせまる魔の手や、新展開の色合いも強く、不思議な雰囲気の物語となっている。
あきらかにこれまでの雰囲気と違う、どちらかというと、誘拐殺人未遂をされた過去のある恋人が話の中心にあるので、より現実味のあるストーリーとはなっています。
そこが、過去のリング事件とどう絡まっていくのか、さらには柏田の存在。
どこかリングシリーズが新章の幕開けを漂わせる今回の雰囲気になっています。
ただ、SF的なロマンも忘れていない鈴木光司の超大作、「リングシリーズ」の第4弾をぜひ読んで欲しいと思います。
鈴木ワールドに一緒に浸ってみませんか?
刊行が2012年なので、だいぶ今とのギャップもなくなり、古臭さは感じることなく、より自然に読めると思います。
この記事をきっかけに興味を持ってもらえたら嬉しいです。
それでは、また!
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